下絵

日本画は、まずはスケッチから、ということを前に書きましたが、スケッチから作る小下絵、小下絵とスケッチから作る実物大の草稿までが本画に入るまでの準備工程なのですが、それに制作時間全体の半分くらいはかかるでしょうか。学生の時、その下準備が不十分で、本画に入ってから、後悔することが多々ありました。しっかりとした準備や、確かな目的地への指針がないまま山登りに入ってしまったようなもの。そうなると必ず途中で道に迷ってしまったり、何かが足りなくて前へ進むことができなくなってしまいます。
十分な装備の準備と、確かな目的地までの地図。それがあって、はじめてスタートできます。
それに、実際進んでいくためには、気力、体力、持久力などの実力が必要。天性の力と、鍛練で得ることのできるものがあると思いますが、やはりどちらも不可欠だと思います。

今回、予行演習に、低い山に登ってみるように、本画と同じ構図の小品を制作することにしました。
それによって、たくさんわかってくることがあると思います。自分の状態を知るために。