死にぞこないの青 乙一

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

映画が面白かったと聞いて 予告だけは観ました。
そして 原作を読んでみようと 借りてきました。

小5のマサオはちょっとした行き違いから新任の先生から嫌われ そしてクラスの中でも居場所を失ってゆく。そんなある日 マサオの前に死にぞこないの青い顔をした少年が姿を現すようになる。。。

この主人公のマサオが 徐々に学校の中で孤立してゆく様がリアルで胸が苦しくなる。
かなりひどい状況に追い込まれていても そこから逃げ出すことができすに 身動きがとれなく
なる様子 その恐怖は それに似た体験をしたものにしかわからないのではないか。。

マサオの追い詰められた内面が 死にぞこないの青 を生み出す。
拘束され口も縫い閉じられた姿の青は あまりにも痛々しいマサオそのものの姿。

マサオが極限まで追い詰められたとき 青は動き出す。
その時、マサオも動き出す。
そして この極限状態からそれを越えてゆく。

映画では 青は女の子の姿で描かれていたので
まったく別物の設定になっているのだろうか?
そしてマサオの復讐の手助けをするかのような描き方に見えた。
それなら この小説の本筋とは違ってしまうのでは。。

映画も観てみようと思う。