しかたのない水 井上荒野

しかたのない水

しかたのない水

 フィットネスクラブに通う、6人の男女の、それぞれの物語。
女を傷つけることをなんとも思っていない、美しい肉体の男 
日常から解き放たれることを夢見る用心深い妻
妻が失踪したらしい水泳コーチ。。。

みなそれぞれの、多少異色な、日常を生きながら 
でもどこかで、現実を少し離れた場所から達観しているかのよう。

井上荒野の小説に出てくる人たちの印象はそんな感じがする。

この中で 私は 「クラプトンと骨壷」が 一番印象に残る話だった。
井上荒野の小説は 空気感だけが残るものが 多いように思うけど
この話は、映像になって迫ってくるものがあった。