空中庭園

空中庭園 通常版 [DVD]

空中庭園 通常版 [DVD]

角田光代の原作は読みかけて途中でやめてしまっていた。
(私はどうも角田光代がすんなり読めないのです。。)

バブル期に建てられた高層マンションに暮らす、いっさい隠し事がない、というのがモットーの小林家が舞台。
その家庭はその主婦である絵里子が作り上げたもの。
でも 家族はそれぞれに秘密をかかえ あることがきっかけで
それらが露出してゆく。
それでも なんとか 家族のカタチを守ろうとする絵里子。
それは絵里子の育った家庭への復習と反撃でもあったから。

小泉今日子が出ているからか、イメージが『トウキョウソナタ』と重なる。
http://d.hatena.ne.jp/mitsu5/20091013
家族のイメージも重なる部分がある。
家族の崩壊と再生を描くところも。

永作博美がよかった。大楠道代は異端なイメージがあるけど、今回は一番普通の人に見えたように思う。
ラストは、やり直し、再生が象徴的に描かれている。真っ赤な血の雨と真っ白な花。

でも、一度真っ赤に染まったものは真っ白になれるのだろうか。
一度死に、生まれ変ってそうなれるのか。。

小説の空中庭園とは、かなり違う作品に仕上がっているらしい。
監督独自の解釈で、結末も違うとか。

だいたいは 原作を読んでから映画を観るけど、あとで原作を読んでみようと思う。