時を刻む砂の最後のひとつぶ

時を刻む砂の最後のひとつぶ

時を刻む砂の最後のひとつぶ

小手鞠るいの作品をひき続き読んだ。この表紙のオブジェ、なんかいいなあ。マツバラリエ作 とある。気になる。今は平面の日本画のみを創作中ですが、やっぱり立体もいいなあ・・。またきっと創ることもあるだろうとは思っている。今は手一杯なので無理だけど・・。
さて 本の話。
帯に「ひたむきに狂っていく男と女」とある。
小手鞠さんの描く人達は、純粋であり、それだからこそ狂気に通じていってしまう姿が描かれている。

この中にも ー 純粋であるということは、凶暴であるということなんや。

        優しくて残酷な力〜それが恋の力というものでしょう。 

というセリフがでてくる。

その域に踏み込んでしまうのは、意思によるものではなくて・・。

この本の最初にV,Eフランクルの「夜と霧」からの引用がある。そこに描かれた世界は人間の極限まで、いや、それさえ越えてしまった後に行き着く先が書かれていた。(この本は数年前に読んだけれど、かなりのショックを受けた。でも魂を揺さぶられるような余韻が残った)
極限という意味では、通ずるところがある。その状況はまったく違っていたとしても。

その域に踏み込むことのない恋愛の話はやっぱりなんだか物足りないと感じてしまうのですが
小手鞠さんの作品は、そこへかなり踏み込んでいこうとしていると思う。
また引き続き 他の作品も読みたいと思っているのですが・・ 

今読んでる本の次は、先日手元に届いた「1Q84」の3が待っているのです。早く読みたいけど
ちょっと読み惜しみしてるところ。