海のふた
- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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自分らしく生きる道を探す女の子二人の物語。
まりの、故郷に対する想いや、自分のお店のあり方へのこだわり、共感する部分は多くあった。今若い人たちが
自分でお店をはじめるのは、こういう思いでやっている人が増えているように思う。
二人が男と女の違いについて話すところで「男は暗くて深いものを求めてどんどんいってしまい」
「女は毎日の中で小さな光をつくる」と二人が話していたが、これは男女の違いでなく、そういう2種類の人間が存在するんじゃないかな。
「この世が作った美しいものをまっすぐな目で見つめたまま、目をそらすようなことに手を染めず 暮らすこと
それは不可能なことではない、人間はそういう風につくられてこの世にやってきた」
こう信じて、主人公の2人は生きて行こうとする。西伊豆の海で泳ぎ、浄化されながら、日々を重ねてゆく。
20代頃読んだならすごくぴったりきただろうなと思った。今はちょっとその先にきてしまって
懐かしい思いで読めました。