:[日本画]草稿 色


小品の草稿がようやく完成間近となりました。草稿は本画の骨描きになるので、これで構図となる線描きが決定します。絵やイメージの写真、スケッチを見ながら何度も描きなおししてきました。小さい絵なので、微妙な表現の所は、ほんのわずかな線の位置でかなり変わってしまいます。人物の顔のラインなどは、描きなおす度にころっと印象が変わってしまいます。これでOKと思っても、全体を見るうち、もうちょっと人物の位置をわずかにずらそう、ってことになると、また消して描きなおすので、またまた変わってしまいます。そんなことを何回も繰り返しながら、段々と線が決まってゆきます。線描きはほぼ完成したので、全体の雰囲気を知るために色鉛筆で軽く着彩しました。(草稿には色は着けないことが多い)下絵にも色は着けましたが、今回草稿でイメージが少し変わってきたので、色を着けだすと、ついつい力が入ってしまって、新たな下絵を兼ねることになりました。でもここの時点で色鉛筆で色を入れておくことが、本画の日本画の絵の具を置いてゆくリハーサルになります。藍色に見える中に、朱や黄土、緑青が隠れている。そうやって隠れている色を見つけて、わずかに加えていくと、藍色が深みを増してくる。日本画は絵の具を、最終の仕上がりの色を表すために、その下にどんな色をどのくらい、どんな順番で置いてゆけばいいか、考えながら描いてゆく。色鉛筆を重ねながら、そのことを考えていく。今週末にはようやく、本画にかかれそう。やっと!