黒と茶の幻想

黒と茶の幻想 (Mephisto club)

黒と茶の幻想 (Mephisto club)

学生時代に同級生だった4人の男女が、十数年を経て、太古の森のあるY島へ旅する。それぞれの心中には過去の闇があり、ひとりずつの立場から語られる島の旅の中で、その謎が徐々に明かされてゆく。ミステリー風に謎が仕掛けてあって、さてそれはどういうことなの?と読み進めていってしまう。4人それぞれの過去が語られて、それが今に繋がっている。重くどろどろとした感じにもなっていくけど、4人目の語り役でのラストで、それも包み込む森のように、浄化されていく気がした。でも、読み終えた感想としてはなんだか腑に落ちないものが残ってしまった。