めっきらもっきらどおんどん

めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

この表紙絵にひかれて手にとってみたら、かなりのロングセラーだった。
夏休み・・幼い頃の夏の1日を想い出す絵本。

主人公の男の子は誰もいない神社の森から不思議な異界へ入り込んでゆく。そこで出会う妖怪たちは、なんともユーモラスで楽しいんだけど、どこか不気味で恐ろしい。しかも遊んでくれないとなるといきなり泣き出すややこしい奴ら・・。
あやうく帰れなくなりそうな男の子を救ったのは・・・。

この不思議な体験、なんだか自分にもあったような気がして、子供の頃遊んだ神社を思い出す。ひとり地面にしゃがんで、膝が顔の両側にあって、土がすぐ近くにあった時代。明るく楽しげなんだけどどこか不気味な要素と日本の風土の湿り気を感じる。夜店の明るいにぎやかさと恐ろしさのような。こういう世界って子供のころ直に繋がって生きていた気がする。・・・などと今大人になってしまった私はあれこれ考えてしまうけど、今の子供たちに読んでもやっぱり魅力的なようで、読み語りのリクエストの多かった絵本です。
この中に出て来る奇妙なうたが、いつまでも耳に残ってしまうのです。