喋々喃々

喋々喃々

喋々喃々

「喋々喃々」:男女がうちとけて小声で楽しげに語り合う様子 

この作者の「食堂かたつむり」に続く2作目。東京谷中でアンティーク着物店を営む主人公の栞。彼女の町での暮らしと恋の物語。一作目と同じく、主人公の生活の様子がおしゃれな散策ガイドのように描かれていく。
栞が思い寄せる相手は既婚。ただ、おいしいものを一緒に食べて、会話を楽しむ時間がほのぼのと描かれていく。
その様子はゆったりと余裕を持つ丁寧な暮らしの延長線のように見える。でもそれだけでは終わらず、やはり恋は進んでいってしまう。楽しいひとときがだんだんと苦しくなってしまい・・。栞はどういう選択をするのか、見守るように読み進めていった。