やがて目覚めない朝が来る

やがて目覚めない朝が来る

やがて目覚めない朝が来る

タイトルに惹かれて読み始めたら、すうっと入り込んで一気に読んでしまいました。
語り手が少女であった日から、ずっと見つめ続けた、語り手の祖母にあたる「蕗さん」の人生。舞台女優であった蕗さんの特別数奇な人生、なんだけど、
でも著者は蕗さんの晩年のシーンで、「蕗さんだけが特別なわけではない」と。これは特別な人の特別な話を語っているのではなく、誰もがそれぞれにある人生の話。選びなおすことができたとしても、やっぱり同じことになってしまう。でも、それでいいのでは。目覚めない朝が来るまで、そうやって生きてゆく。